活動事例
人権の尊重を目指す道の開拓
メキシコの人権活動
ユース・フォー・ヒューマンライツ・メキシコ支部は、2004年YHRI教育世界ツアーが国を訪れたときに結成され、国連職員、政府機関、教育学会や孤児院を訪問しました。
保安部隊と薬物カルテルとの間で全面的な薬物戦争が繰り広げられる中、深刻な人権侵害が多発していたため、YHRメキシコはこれに取り組むために活動範囲を広げ続けました。 意識向上のためのロック・コンサートに参加し、州のテレビで公共サービス・メッセージを放映したほか、メキシコの有名人が登場して人権のメッセージを伝える「人権とは何でしょう?」の特別編集版を制作しました。人権メッセージを宣伝しているメキシコのセレブリティを取り上げた小冊子。
メキシコで最も犯罪率の高い地域のひとつであるエカテペックで、YHRのボランティア・インストラクターたちは、50名の学校長たちに向けてセミナーを行い、そのカリキュラムはそれぞれの地域で次々と実行されました。
人権国家委員会はYHRと提携し、YHRIの教材を使用してきました。その教材は10代の若者が15,000人以上参加するセミナーで300回以上使われているものです。
メキシコの環境省もまた、ユース・フォー・ヒューマンライツ・キャンペーン教材を、独自の教育プログラムの補強として採用しました。
YHRメキシコの活躍と貢献により、世界人権宣言の全文がチアパス州憲法の条文に組み込まれ、この州では人権教育を義務付けられることになりました。
また、YHRメキシコは、チアパス州議会のメンバーたちに講演と資料を提供し、知事夫人が率いるファミリー・デベロップメント・エージェンシーの生徒および教育者1,000人をトレーニングしました。
草の根の啓発活動を通じてこの問題への関心が高まったことにより、憲法改正が国会を通り、各州によって承認され、2011年6月9日、メキシコ大統領によって署名されました。世界人権宣言が正式にメキシコ憲法に組み込まれたのです。
この先例のないイベントは、メキシコの人々にとって人権のルネサンスの兆しとなるものです。
「人権の物語と、世界人権宣言の教材に感謝の意を述べたいと思います。移民から連邦警察に及ぶグループに対し、人権についてのレクチャーを提供するという日々の業務において、この教材はとても役に立っています。」― メキシコ国家移民局の幹部職員